昨日、ある若い女性のレベルテストをしました。
この学生はJLPT2級合格しているため、
授業ではビジネス会話を習いたい、とのことだそう。
ちなみにJLPTというのは、外国人が受ける日本語能力試験のこと。
その2級というと、だいたい中級の上くらいのレベルです。
当然、レベルテスト時のインタビューも中級用を使いました。
学院では一応ビジネス会話用の教材も用意してあるけど、
この学生にとっては易しいのではないか、という学院側の判断で
フリートーキング用の教材を使いながらビジネス用語を教えろ、
という指示が出ていました。
しかし、実際レベルテストをしてみたら…
初級の文法すらもままならないほどの、非常に低い会話力で、
聞き取りもまともにできません。
う〜ん、どうしたものか…
たぶんこの学生もこの時点で自分の本当のレベルというものが
分かったと思いますが、この学生からはあくまでもビジネス会話を
習いたい、とのことで、私はレベルテスト終了後、
この学生にはどのような方法で授業をすればいいのか、
ずっと頭を悩ませていました。
ちなみに授業時間は、毎日10分間。
フリートーキングの教材を使うのにもある程度の会話力が必要なので、
一旦これで徐々に慣れてからビジネス会話を教えるか、
最初からビジネス会話用の教材を使うか、のどちらかが良いと思うが、
ビジネス会話を勉強するにはレベルが低いので、
もう一度学生に聞いてみてくれと、学院に頼みました。
それでもフリートーキング教材もやって、ビジネス用語をただ単純に
教える、という授業内容がいいと言うのであれば仕方がありませんが。
でも正直言って、身になるまでものすごく時間がかかるでしょうけど。
そして初授業の日。
どういう風に授業を進めるのか、教材は何を使うのか、
学院からなかなか連絡が来ないので予めメールで返事を促しましたが
結局何も知らされずに時間が来てしまいました。
(これに関しては学院に注意を促すメールを送りましたが)
学生に直接、結局中級用のフリートーキング教材を使いながら
ビジネス用語を習う、という話になっていたことを聞き出しました。
そして今日、授業二日目が終了しました。
今日はとりあえず教科書をちょこっとやってから
最後の3分くらいでビジネス用語一つ教えましたが、
なるべく易しく説明しても学生が勘違いしてちんぷんかんぷんな
受け答えをするので、結局学生が理解できたのが数分後…
JLPT2級に合格しているので知識的にはきちんと持っているけれども、
日本語で考え、日本語で会話するという脳が全く出来上がってない、
ということの証拠ですね。
そして、授業を受けるのに必要な聞き取り力も不足しています。
とにかくこの学生はまず基本的な会話がある程度できてから、
次のステップ(ビジネス会話習得)だと思うわけですが…
この学生のように、試験には合格したけどまともに会話できない、
という人が結構います。
"試験合格レベル=会話力レベル"では決して無いんですね。
特に韓国では英語の他に第二外国語も習う傾向があり、
それは100%就職のためのスペックの一つとして考えられています。
でも結局、仕事でこのスペックがまともに活かせなければ
何の意味も無いのです。
私は、現地の人と普通に会話できてこそ、その国の言語が「できる」
と言えるのではないか、と思うんですが…
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